苫小牧市史編さん審議会(蓑島栄紀会長)は9日、市制75周年を迎える2023年度をめどに刊行を目指す「新苫小牧市史」の編さん方針などについて岩倉博文市長に答申した。先住民族としてのアイヌ民族の立場や、近年の女性史の視点を積極的に盛り込むことなどを示した。
同審議会は、新たに発見された資料や研究成果を加えた新しい市史を刊行するため、昨年3月に諮問を受けた。「市民に親しまれる通史として刊行すること」を踏まえ5回にわたる審議を行い、先史から現代までのさまざまな側面からの叙述方法について議論を重ねた。
蓑島会長は「新市史の編さんは、今後のまちづくりと苫小牧の礎を築いてきた先人の労苦を後世に伝える上で、非常に意義のあること」と答申書を提出。岩倉市長は「今後さまざまな意見を踏まえ、刊行まで進めていきたい」と述べた。
市は年内に執筆者を選考後、同審議会委員や関係行政機関の職員らで構成する市史編集委員会を組織し、原稿内容の確認や検討を進めていく予定。