減らない悪質不法投棄、市は出前講座やイベントで啓発

減らない悪質不法投棄、市は出前講座やイベントで啓発
市内の草地に捨てられた大型ごみ。周囲にはテレビや冷蔵庫など家電製品も投棄されていた

 苫小牧市内でごみの不法投棄が後を絶たない。今年度上半期(4~9月)は47件でほぼ前年並み。パトロールなど防止に向けた活動は進めているが、人目の少ない山林や海辺などに捨てる人が依然として多いのが現状だ。市は廃棄物処理法違反で刑罰が科せられる可能性も指摘し、一層の抑止に努める考えだ。10月は廃棄物適正処理推進月間。

   市の集計によると、不法投棄件数は▽2014年度163件▽15年度117件▽16年度78件▽17年度92件▽18年度88件▽19年度78件。14年9月以降、不法投棄が頻発している場所を中心に19台の監視カメラを設置。その効果からか15、16年度は大幅に減少したものの、17年度に再び増加し100件近くに迫った。その後は微減し2桁台で推移している。 今年度上半期の47件は、18年度同46件、19年度同52件とほぼ横ばい。家庭ごみのほか、本来は有償処分が必要なテレビや冷蔵庫などの大型家電製品もあり、山林や海辺、道路脇などに捨てる悪質なケースが多い。家庭ごみの内容物から不法投棄者を割り出した事案では、「分別が面倒」などの理由を挙げたという。

   市ゼロごみ推進課は、看板などで不法投棄が犯罪であることを呼び掛けるとともに、「出前講座やイベントなど、あらゆる機会を通してモラルの向上を働き掛けていく」としている。

   市は不法投棄した人物が特定できた場合、本人に適正処理を指示。分からない場合は土地の管理者や所有者に処分を求めている。

   メモ 不法投棄 廃棄物処理法16条は「何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない」と定める。規定に反して廃棄物を投棄することを「不法投棄」といい、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこの両方が科せられる。