市長「前例踏襲を排除」 苫小牧市予算編成方針 コロナ影響見極め

市長「前例踏襲を排除」 苫小牧市予算編成方針 コロナ影響見極め

 苫小牧市は19日までに、2021年度の予算編成方針を公表した。厳しい財政見通しを考慮しつつ、新型コロナウイルス流行下の市民生活に必要な対応などを予算編成の基本に掲げる。

   今年度は職員向けの予算編成説明会を取りやめ、市長メッセージの録画映像を庁内ネットワーク上で16日から配信。ホームページでも19日、予算編成方針を公開した。

   基本方針では、新型コロナの影響による税収入の落ち込みを予測し、政策事業の予算確保の難しさを強調。編成作業の基本的な考え方として、従来通りの市総合計画に基づく施策、市長4期目のテーマの「笑顔あふれるふくしのまちづくり」に関連した施策の推進に加え、コロナの市民生活への影響を見極めながら必要な対応を講じる方針も示した。

   昨年度と同様、「政策マネジメント予算編成」と銘打った手法を採用。各部署が政策事業の効率性や有効性を吟味し、予算化の優先度などの根拠を示すよう求め、既存事業の「スクラップ・アンド・ビルド(廃止や再構築)」検討も促している。

   岩倉博文市長は、19日の定例会見でコロナ禍を踏まえ、「これから数年は財政苦難時代」と指摘。予算編成に当たっては前例踏襲をいったん排除し、時代に合った事業の在り方を一から練り直す心構えを職員に求めたと説明した。

   20年度は当初予算で、一般会計が19年度比1・9%増の815億600万円、企業・特別会計を含めた総額は1・7%増の1363億4900万円だった。