錦岡保育園の園児70人ら大津波を想定し訓練、3キロの道のり避難

錦岡保育園の園児70人ら大津波を想定し訓練、3キロの道のり避難
高台に向かって駆け足で移動する園児ら

 苫小牧市宮前町の錦岡保育園(斎野伊知郎園長)は21日、大津波警報を想定した避難訓練を行った。園児約70人と職員20人、宮前町内会の会員3人が参加し、津波到達予想時刻の前に安全な場所へ移動できるよう、経路を確認しながら駆け足で3キロの道のりを走った。

   訓練は地震発生から30分後に10メートル超の津波が到達する想定で実施。園内放送を聞いた園児らは急いで保育士の元に集まり、かがんだ姿勢のまま両手で頭を守るなど安全行動を取った。

   続けて高台への避難指示が出ると、防災ヘルメットをかぶって素早く園の外へ。保育士の指示の下、全員が小走りで3キロ先にある市内錦岡の介護付き有料老人ホーム海の丘(海抜47メートル)まで駆け足で移動した。

   園児らは真剣な表情で走り切り、全員が30分ほどで避難場所の老人ホームに到着。斎野園長は訓練を終えて「よく頑張りました」と笑顔で園児らに声掛けした。

   園児を誘導した宮前町内会の赤﨑博美副会長(69)は「子どもたちが元気で追い付くのも大変だった。素早い行動は見習わないといけないですね」と話した。

   同園は火災や地震、樽前山の噴火などに備えるため毎月訓練を実施。このほか年に一度、大津波を想定した避難訓練を行い、防災意識を学ぶ取り組みを進めている。