新型コロナ 現状と対策 苫小牧保健所 野尻次長に聞く 若い世代の感染増える 食事に集中後 マスクで会話を

新型コロナ 現状と対策 苫小牧保健所 野尻次長に聞く 若い世代の感染増える 食事に集中後 マスクで会話を
胆振管内の感染の現状などについて語る野尻次長

 新型コロナウイルスの感染が胆振管内でも若い世代を中心に広がり、クラスター(感染者集団)も相次いで発生している。まだ、終息は見通せない中、管内の現状はどうなっているのか、市民はどのような心構えが必要なのか―。対策の最前線にいる苫小牧保健所の野尻彰生次長に聞いた。

   ―胆振管内のコロナ感染の現状は。

   「現状を第2波、第3波と呼ぶべきかは分からないが、10代から30、40代のアクティブな若い世代の感染が増えている。行動範囲が広がり、接触機会が増えれば感染リスクは高まるのは当然。経済活動を進めながら人と人の接触機会が増える中で、どれだけ感染リスクを抑えていくかが課題だ」

   ―市中感染の可能性は。

   「市中感染が起きているかどうかについて、はっきり言えることはない。1人目が必ずしも最初の感染者とは言えず、検査で陽性や陰性が追跡できない人もいるし、無症状の人もいる。感染源がどこなのかというのは、ほぼ分からないのが正直なところ」

   ―(10月30日に)苫小牧工業高校でクラスターが発生した。現状は。

   「基本的に感染者の家族は濃厚接触者という位置付け。そこからどう広がっていくかが懸念されていたが、11月2日時点でクラスターの外部への大きな広がりは確認されていない。11人の保健師が生徒や先生たちから2週間前の行動履歴を聞き取り、必要と思う人については検査している。念のため、安心してもらうために幅広く検査しており、ほぼ終えたところ。今は状況を注視している」

   ―市民はどう対策すればいいか。

   「感染者の有無にかかわらず、どこにでもコロナウイルスがあるという前提で、改めて基本的な対策をしてもらうことが重要。『密』の回避や手洗い、うがいなど基本的な予防は取り組んでいると思うが、食事中にマスクをせず会話をすると感染リスクを高める。食事に集中した後、マスクをして会話するなど、行動にめりはりを付けることでリスクも抑えられる」