苫高専・甲野教授のグループ、日本応用糖質科学会技術開発賞に

苫高専・甲野教授のグループ、日本応用糖質科学会技術開発賞に
受賞を喜ぶ苫小牧高専の甲野教授

 苫小牧工業高等専門学校の創造工学科、甲野裕之教授(50)が所属する研究グループが、日本応用糖質科学会(東京)の技術開発賞を受賞した。ブドウ糖が多数結合した多糖類で、免疫向上作用の効果が期待される「βグルカン」の構造や機能性などに関する多角的な研究が評価された。

   テーマは「水熱処理黒酵母βグルカン『KBG』の開発と応用研究について」。苫小牧、一関、福島、沖縄の4高専と砂糖の製造加工、販売などを手掛ける伊藤忠製糖(愛知県)が2016年度にグループを作り、研究を重ねてきた。

   βグルカンはこれまで溶媒に溶けなかったが、同社は水熱処理の技術を用い、水溶性が高くて高純度なβグルカン素材を製造した。解析により同素材が従来にない新しい物で、インフルエンザやアレルギーの抑制機能があることも分かったという。

   また、研究グループをきっかけに同社製品の砂糖を沖縄高専生がデザイン。売り上げの一部を沖縄県のサンゴ礁保全活動に寄付する産学連携の取り組みも評価された。

   甲野教授は「名誉な話。研究の成果が出て報われた」と喜んでいる。