苫小牧在住の歌手、栗原ちあきさんが新型コロナウイルス対策を講じながら歌声を観客に届ける歌謡ステージを開いている。歌唱中の飛沫(ひまつ)拡散を防ぐ抗菌シートを使った防護幕を自作。できる限りの対策を進め、コロナ禍でも生の音楽を楽しめる機会づくりに取り組んでいる。
栗原さんは道内各地で年間80カ所以上のステージに立ってきたが、今年2月以降はコロナの影響で予定がすべてキャンセルに。今後もこの傾向が続くとみて、コロナ禍でも歌手活動が継続できるような工夫に取り組むことを決めた。
最初はマスクを付けたままの歌唱に挑戦したが、練習の時点で息苦しさに耐えられずに断念。防護幕で飛沫拡散を防ぐアイデアを思い付き、縦190センチ、横幅180センチの透明な抗菌シートを購入。簡易的な支柱を使ってステージ前に配置し、前面には「栗原ちあきショー」の横断幕も掲げた。
18日に弥生町の宮永商店で開かれたイベント「みやながまるしぇ」の歌謡ステージでオリジナル防護幕を初めて活用。歌声はマイクを通じてスピーカーから聞こえるようにして、オリジナル曲やカバー曲など全8曲を熱唱した。栗原さんは「少し見えにくい面もあったと思うが、対策をしたことで安心して思いを込めて歌うことができた」と手応えを感じた様子。今後は防護幕を使いながら活動の場を広げていくという。
とまこまい観光大使を務めている縁もあり、市の公式キャラクターとまチョップと自分のイラストが並ぶオリジナルステッカーも作成。さまざまな出先でPRにもつなげたい考えだ。
栗原さんは「来年はこうした対策を続けながら、歌手活動を積極的に進めていきたい」と意欲を燃やしている。