胆振沖 魚群反応強く回復期待―スケトウダラ資源調査

胆振沖 魚群反応強く回復期待―スケトウダラ資源調査
水揚げ回復が待たれる苫小牧沿岸のスケトウダラ漁=10月

 道立総合研究機構函館水産試験場が実施した、11月中旬のスケトウダラ資源調査によると、道南太平洋海域(渡島―胆振)の魚群反応は前年同期を上回った。平年よりも水温は高めだが、水深350~500メートルの海域での魚群反応が強く、資源回復を期待できる。同水試は「水温がさらに下がれば、魚は岸に寄ってくる」とみている。

   今年度2回目の産卵来遊群分布調査は、11月11~16日に同水試の調査船「金星丸」、釧路水試「北辰丸」が道南太平洋海域の水深100~600メートル海域で実施した。海底に超音波を発射して反応量を捉えた他、トロール網で漁獲してサイズなども調べた。

   同水試によると、1マイル(約1・6キロ)平方メートル当たりの反応量は、前年同期と比べてほぼ倍増。2018、19年と2年続けて不漁だったが、この時期としては17年以前の水準まで回復している。成魚の魚群反応は水深350~500メートル海域で強く、胆振沖は同450~500メートルの深めが比較的強い反応だったという。

   トロール漁獲では体長40センチほどの成魚が主体で、同水試は「漁の中心となる4歳魚が多い」と分析。水温は平年を1~2度上回っているが「昨年はえりも沖に暖水の塊があり、スケトウダラの移動を妨げていたが今年はない。今後さらに水温が下がれば、魚も順調に動いてくれる」とみている。

   苫小牧沿岸のスケトウダラ刺し網漁は10月1日の解禁以降、不漁傾向が続いたが11月は1日で40トン取れた日もある。苫小牧漁業協同組合は「これまでなかなか取れず、まだ8隻で出ているが、(漁最盛期の)12月は船も増える。今後に期待したい」としている。