講演や研究発表に耳傾ける 苫高専地域連携シンポ

講演や研究発表に耳傾ける 苫高専地域連携シンポ
成田社長の講演に聴き入る参加者ら

 苫小牧工業高等専門学校と同高専協力会による苫小牧高専地域連携シンポジウムが7日、苫小牧市のグランドホテルニュー王子で開かれた。同協力会の企業など約110人が参加し、講演や研究発表に耳を傾けた。

   同校と地元企業の連携強化や教育研究活動の発展を目的に、毎年実施している。

   今年はマドラーの成田智哉社長(34)=千歳市出身=を迎えた。成田社長は東京大学卒業後、大手自動車会社に就職したが脱サラ。胆振東部地震発生後に厚真町で起業した。住民同士の互助の仕組みをつくり、買い物代行や日常の手伝いをする会員制のサービスを提供している。

   講演では、起業した経緯について「自分なら大企業とベンチャー、都会と地域、ベテランと若者といった分断したセクターを乗り越えてかき混ぜることができる」と考えたといい、会社や部署、自治体の境界を超えて事業を展開していることを説明。「田舎は都会よりもさまざまな年代の人とつながれる。課題先進国は課題解決先進国になれる」と話した。

   このほか、同高専の菊田和重教授と金子友海特命助教が「再生可能エネルギーを利用した大規模工場における冷暖房システムの開発」について発表。専攻科の学生21人もそれぞれの研究成果をポスターセッション形式で紹介した。