新千歳空港を管理運営する北海道エアポート(HAP)は8日、大雪などで発生する滞留者の解消を目指した訓練を行った。10月に新たな対応策を決めてから初の実地訓練で、HAPやバス会社など10機関・29人が参加。貸し切りバスの緊急乗合輸送を試し、HAPの河口亮総合企画本部交通対策部長は「今冬に備えたい」と気持ちを新たにした。
今年1~2月の4度にわたる大雪対応を踏まえ、10月にHAPと北海道運輸局による連携会議で、雪害時の新たな対応策を決めた。JR千歳線の終日運休などを条件に、空港連絡バスを同空港―札幌・大谷地間に集約する「緊急ピストン輸送」、HAPの貸し切りバス有料化(一律1000円)による時間的制約のない運行などで、滞留者を解消することが柱。今冬の緊急時から運用する予定だ。
8日はHAPが貸し切りバス3台を、同空港から札幌市厚別区の大谷地バスターミナルまで運行する実施訓練を行った。通常運行する空港連絡バスを「緊急ピストン輸送」に見立てた上、連絡バスが乗り入れる合間の約10分間を利用し、貸し切りバスをバスレーンに回し、滞留者を乗せる手順などを確認した。
無線でバスに乗車場所を指示し、乗客役を空港ターミナルビル内からバス乗り場まで誘導。模擬で運賃を受け渡したり、荷物を積み込んだりと実際の運用に沿って訓練した。訓練結果の検証は14日に予定しており、河口部長は「新たな改善策を打ち出して初めての運用。課題があれば早急に解決したい」と話していた。