11月20日に東京都内で開かれた「第13回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in JAPAN」で苫小牧市東開町の保育園児柴田華音愛(るのあ)ちゃん(5)が、自由曲コース未就学児部門で金賞に輝いた。初の全国大会での受賞に「楽しかった。もっと難しい曲も弾きたい」と満面の笑みを浮かべた。
同コンクールはヨーロッパ・ピアノ協会の主催。音楽性や音色の美しさなど個性的な表現が重視される。柴田さんは6月の札幌予選、9月の札幌本選を経て、東京の芸術センター天空劇場で開かれた全国大会に臨んだ。
全国大会では、初めてフットペダルを使い「夕ぐれのひつじ雲」を演奏。母親の愛美さん(30)によると、泣きながら練習する日もあったがその日は終始、楽しそうだったという。
審査員からは、「しっかりと自分の美意識を表現できていて素晴らしい」「ふわふわな雲の感じ、空の色が変わる感じが聞こえてきてうっとりした」と高く評価された。
3歳でピアノを習い始め、昨年からさまざまなコンクールに挑戦してきたがこれまで全国大会出場はかなわなかった。表現技術を高めるため、夕暮れや羊雲の写真を見たり、家でも本番で着用する靴を履いたりして毎日2時間ほど稽古を重ねた。
初の全国大会での演奏は家族や親戚が集まって見守ったといい、愛美さんは「ずっと練習に付き合ってきたので、本番での演奏には感動して泣いた。こつこつ頑張って来年もコンクールに挑戦してほしい」と話していた。
事務局によると、今年度の全部門の参加者数は約1900人。自由曲コース未就学児部門での金賞は全国で2人という。