安平町早来新栄の国道234号早来橋で3日、トラックと正面衝突した軽トラックのドライバーが死亡する事故が発生したのを受け、苫小牧署は8日、再発防止に向けた現場診断を行った。安平町、室蘭開発建設部、苫小牧地区交通安全協会など6団体から計11人が参加。同町は、10月末に「交通死亡事故ゼロ1000日」を達成したばかりだった。
事故は3日午後4時半すぎに発生。片側1車線の直線道路で、苫小牧方面から早来市街地へ走行中の軽トラックが対向車線のトラックに衝突し、軽トラックを運転していた60代男性が亡くなった。
早来橋の上に集まった参加者を前に同署の上月英司交通官は、当時の状況について「橋の上はアイスバーン状態で、軽トラックがスリップした可能性が大きい」と指摘。蛇行する軽トラックに気付いたトラックのドライバーは、道路脇に寄って法定速度の時速60キロ以下で走行していたと説明した。
診断に立ち会った室蘭開建苫小牧道路事務所の鎌倉亮第1工務課長は、冬道には凍結防止剤を散布するが「橋の上などの凍りやすい場所を運転する際の注意喚起を進め、事故を少なくしたい」と強調。町内での死亡交通事故発生は2020年2月4日の発生以来となり、町交通安全推進委員会の伊藤一夫推進員も「非常に残念。改めて気を引き締め、対策に取り組みたい」と力を込めた。
上月交通官は「冬の路面状況は刻一刻と変化する。滑る場所では、車の性能も如実に影響することにも留意してほしい」と話していた。