中古家電が人気 物価高騰で節約志向に 苫小牧のリサイクル店 売り上げ2割増

中古家電が人気 物価高騰で節約志向に 
苫小牧のリサイクル店 売り上げ2割増
販売が好調な家電製品のコーナー=なんでもリサイクルビッグバン苫小牧桜木店

 物価高騰に伴う節約志向を背景に、中古家電が人気を集めている。苫小牧市内のリサイクルショップでも、冷蔵庫や洗濯機などの売り上げが前年よりアップ。物価の先行き不透明な状況が続く中、各店は需要のさらなる高まりを期待する。

   なんでもリサイクルビッグバン苫小牧桜木店(桜木町)は、今年1~10月の家電製品の売り上げが前年同期に比べて約2割伸びた。テレビや冷蔵庫、洗濯機など引っ越し先の住まいで必要な品を求める若者や、買い替えに訪れる高齢者も多いという。

   売れ筋の価格帯は1万~3万円台。テレビは29~40型、冷蔵庫は容量の少ない単身向け2ドアタイプ、洗濯機は縦回転式が人気だ。同店の高井徹店長は「物価高により中古品は、安く購入したい方の選択肢の一つとなっている」と話す。

   中古家電人気は全国的な傾向。原材料価格や輸送費などの上昇で今年、家電メーカーが相次いで商品を値上げしたことも背景にあるとみられる。

   リサイクルショップのオン・ザ・コーナー(住吉町)も、家電の売り上げが前年より2~3割増えた。比較的年式が新しく、性能の良い冷蔵庫や洗濯機を買い求める客が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大前は若者の来店が多かったが、コロナ禍以降は、より節約を求める高齢者の姿も目立つようになった。

   よく売れるのは5万~10万円台の製品。同店の菅原修一代表は「顧客から買い取る製品が原資なので、できるだけ利益の上乗せを抑えて販売している」とし、物価高が広がる中で「今後もリサイクル品を求める人が増えるのでは」と期待を込めた。