苫小牧啓北中学校山なみ分校(宮嶋隆行校長)の閉校式典(閉校記念協賛会主催)が10日、同校体育館で行われた。苫小牧市内全域から知的障害のある子どもを受け入れてきたが昨年度、道立の特別支援学校が市内に新設されたため、役割を終えたと判断。来年3月末、設立から56年で幕を下ろす。
式典には保護者や町内会役員、過去に勤務した教職員ら約40人が出席。閉校を惜しみながら思い出を振り返った。
宮嶋校長は「地域と共に歩む学校として56年間、伝統を紡いできた。多くの思い出を胸に刻み、山なみで学んだことを生かして自分の道を進んでほしい」とあいさつ。歴代校長や過去のPTA会長、有珠の沢町内会の会長らに感謝状が贈られた。
同中吹奏楽部は、ジェームズ・スウェアリンジェン作曲の「ロマネスク」などを演奏し、式典に花を添えた。在校生の発表として全校生徒6人で伝統の「山なみ太鼓」と「山なみソーラン」を法被姿で力強く披露した。
生徒会長の加藤優奈さん(15)は「一番楽しかった思い出は修学旅行。学校が無くなるのは寂しいけど、それぞれ目標を持ってこれからに向けての準備を進めていきたい」と話した。
同校は1966年に養護学校「山なみ学園」として設立。72年に啓北中の分校となり、93年、現在の有珠の沢町の校舎に移転した。比較的重い障害がある子どもの受け皿となり、これまでに515人の卒業生を輩出してきた。
来年3月末で閉校するが、4月からは校舎を活用した学校指導適応教室「山なみ」を開設し、不登校児童生徒を受け入れていく方針だ。