知事選野党統一候補 擁立は越年か 立憲道連常任幹事会開く 現職出馬も年越し濃厚 

知事選野党統一候補 擁立は越年か 
立憲道連常任幹事会開く 現職出馬も年越し濃厚 
知事選を含めた統一地方選の対応を協議した立憲民主党道連幹部(右から逢坂代表、勝部賢志代表代行、松木謙公副代表)=11日午後、札幌ガーデンパレス

 来年3月23日告示、4月9日投開票の道知事選へ向け、野党勢力の候補擁立作業が本格化している。立憲民主党道連(逢坂誠二代表)は11日、札幌市内で今年最後の常任幹事会を開き、情勢を分析し、今後の流れを確認した。終了後、梶谷大志幹事長は記者団の取材に「できるだけ早くしっかり候補を決めたい。統一地方選は、そこ(知事選)を頂点にする戦いをしていく」との姿勢を改めて強調した。ただ、作業は遅れ気味に推移しており、前回(2019年)の知事選同様に具体的な候補擁立は越年する可能性が高まっている。

   野党勢力は11月19日に、立憲民主党道連、国民民主党道連、連合北海道、北海道農民政治力会議で「4者会議」(民主連絡調整会議)を立ち上げ、候補擁立作業を始動させている。会議を主導する立場の立憲の党本部は「北海道は(選挙区が)広い。年内に候補を決めたい」(党本部・岡田克也幹事長)との姿勢でいる。

   梶谷幹事長は「これだという人に一緒に戦ってほしいとお願いしている段階」と現状を説明。「国民、連合、農連としっかり連携して大きな固まりで臨んでいく」と述べ、年内に4者会議の事務局会議を開く意向を示した。

   前回の知事選で、共産党、社民党、れいわ新選組を含めた野党共闘の「接着剤」的役割を担った市民団体「戦争させない市民の風・北海道」(共同代表・上田文雄前札幌市長ら)は今週から活動を本格化する。今回も野党統一候補擁立へ向け、立憲、国民、共産党などに対し要請する構えだ。

   一方、与党勢力の自民党道連、公明党道本部は日本維新の会道総支部と共に、現職の鈴木直道知事(41)が再選出馬を表明した場合は推薦する意向だ。鈴木知事は今月2日の定例道議会一般質問で「今後とも道民の命と暮らしを守る取り組みに万全を期すとともに、本道の将来を見据えた対応を着実に進めながら、残された任期においてさまざまな課題に日々、全力で取り組んでいく」と述べ、なお態度を保留した。こちらも再選出馬への決断は年を越す公算が大きい。

   前回の知事選は、自民党の党内選考レースが激化し、鈴木氏が党の決定を待たずに出馬表明したのは2月1日。一方、野党の擁立作業も極めて難航し、最終的に元衆院議員の石川知裕氏が正式に出馬会見を開いたのは2月8日。いずれも告示まで2カ月を切った超短期決戦となっている。

   今回の知事選には、11月10日に会社経営で無所属新人の門別芳夫氏(61)が唯一、立候補を表明している。