おおば比呂司生誕100年記念作品展 「宇宙を旅して」開催中 札幌市2会場

おおば比呂司生誕100年記念作品展 「宇宙を旅して」開催中 札幌市2会場
飛行機との運命の出合いを描いた「ビラ撒き」を手に思い出を語る大場伸之さん

 札幌市制100周年記念事業のおおば比呂司生誕100年記念作品展「宇宙(そら)を旅して」が、札幌三越9階と札幌市資料館=中央区大通西13=で開かれている。初公開作品も多く、温かくほのぼのとした画風は多くの来場者を楽しませている。

   おおばさん(本名・大場博司)は札幌市出身の漫画家・画家。「広報ほっかいどう」の表紙絵、航空会社の時刻表や機内誌のカバー絵、銘菓の包装紙などを飾るなど広く活躍したものの、1988年8月に享年66歳で他界した。

   長男の大場伸之さん(63)=東京都在住=は「創成川の近くで生まれた父は、幼少期にビラをまく飛行機を目にして以来空に憧れた。大空と広い大地が父の原風景。旅と乗り物(ヒコーキ)、おいしいものが大好きでした」と振り返る。北海道に帰るたびにお気に入りだった苫小牧市内の老舗洋食店に足を運んだとも。

   三越では、東京のコレクター所蔵の22点を初公開している。ビラをまく飛行機を追い掛けた自身を描いた「ビラ撒き」(少年時代の思い出)や戦時中に陸軍航空隊の隊員として滞在した択捉島を描いた「千島の想い出」も。

   札幌資料館では、ヘリコプターから苫小牧上空を望んだ「すすむ苫東工業基地開発」や初公開の童話「とんぼとひこうき」(作・絵おおば比呂司)の原画9点も公開している。

   札幌市資料館は18日(最終日午後4時終了)、三越は19日(同午後5時終了)まで。三越では17日午後2時から、伸之さんが「おやじとヒコーキ」と題したトークを行う。