帝国データバンク札幌支店は、11月の道内景気動向調査結果を発表した。景気DI(『良い』と回答した企業の割合から『悪い』とした企業の割合を引いた数値)は前月比0.3ポイント減の40.9となり、3カ月ぶりに悪化。業界別では建設、小売り、運輸・倉庫、サービスの4業界で悪化した。
全国平均(43・1)との比較では、24カ月連続で下回った。その差は2・2ポイントで、前月から0・8ポイント拡大した。
企業の規模別では、大企業が前月比0・4ポイント減の41・9。中小企業も0・3ポイント減の40・7。中小企業のうち小規模企業は1ポイント減の40・9。規模間格差は2カ月連続で大企業が中小企業を上回った。
業界別では、農・林・水産、金融、不動産、製造、卸売りの5業界が改善。景気DIが最も高いのは金融の45・6で前月比3・4ポイント上昇。農・林・水産は前月比4・3ポイント増の31・0と4カ月ぶりに改善したものの、9業界中、最も低い水準にとどまっている。
一方、4業界は悪化。特に個人消費の持ち直しを背景に改善傾向が続いていたサービスは1・4ポイント減の43・3となり、6カ月ぶりに悪化した。
先行き見通しでは、「3カ月後」が40・6(前月調査41・1)、「6カ月後」が41・9(同41・7)、「1年後」が43・5(同43・1)。「3カ月後」が前月から悪化しているものの、「6カ月後」と「1年後」の2指標は改善予想だ。
農林水産関係の生産業者からは「生産原価が倍になることが分かっていても、販売単価は上がらず、経費を掛けて生産する意味があるのかと思われるほど」と悲痛な声も。飲食店や旅館・ホテルを含むサービス業界からは、新型コロナウイルス感染再拡大により、これまでの回復傾向の鈍化を警戒する声が上がっている。
調査は11月16~30日に、道内企業1186社を対象にインターネットで実施。554社から回答を得た。回答率46・7%。