苫小牧東高校と西高校で13日、1年生による「地域活性化を考える授業」の成果発表会が開かれた。総合的な探究の時間での取り組み。生徒たちはグループごとに、空洞化する中心市街地のにぎわい創出などに向けた課題や解決策をプレゼンテーションした。
東高の1年生6クラス237人は、今秋から「JR苫小牧駅前を活性化するためには」をテーマに探究活動を実施。約5人ずつ48のグループをつくり、同駅前の歴史や現状を学びながら、活性化策を話し合った。
この日は、市未来創造戦略室担当者や渡辺(表町)の佐藤秀文社長らを審査員に迎え、6グループが発表。活性化策は地域ゆかりのアニメの聖地巡礼から、空き店舗を活用した期間限定の「ポップアップ・ストア」出店まで多岐にわたった。
最優秀賞は「王子製紙の観光地化」を掲げたグループ。小中学校の見学授業受け入れや、緑ケ丘公園展望台から同工場の夜景を楽しめるようにすることなどを提案した。
発表者の1人、安達陽さん(16)は「住んでいる街を見詰め直すきっかけになった」と笑顔。このグループは来年1月、胆振、日高の道立高校が探究活動の成果を競う「探究チャレンジ」(道教委主催)に出場する。
西高の1年生4クラス157人は、レッドイーグルス北海道やNPO法人木と風の香りといった市内に拠点を置く7事業者と約半年間かけてそれぞれが抱える課題の解決策を考えた。
この日の成果発表会で、子ども食堂について調べたグループは、同食堂の貧乏な子どもが通うイメージを払拭したい―とポスター掲示による啓発活動を提案。印刷費などを捻出する街頭募金を重ねながら宣伝する案を示した。川村咲生さん(15)は「(福祉業界は)人手や資金が不足していることを知ったが、若者にもできることはあるのかなと思った」と述べた。
このほか南高校でも2日、1年生が交通網や防災などを切り口に地域課題について発表。大学進学を目指す三浦真菜さん(16)は「大学が少ないことを気になって調べた。聞き手に伝わるように話すのは難しかった」と語った。