苫小牧市主催の消防出初め式は来年1月11日に市民会館で行われ、コロナ禍で2年間中止していた市消防団まとい隊(伊東博之隊長)のはしご乗りなど伝統演技を復活させる。一般来場も歓迎する。まとい隊は14日夜、本番に向け新開町の市消防防災訓練センターで練習に臨んだ。
まとい隊のきやり組、まとい組、はしご組から計38人が参加。約10キロのまといを振り上げたり、木やりの節回しを確認したりし、入念に段取りをチェックした。この他、約6・5メートルのはしごを12人がかりで組み、演技を繰り返した。
はしご組の乗り手を約10年務めている末広分団の岩間憲治さん(51)は「毎回、子どもたちが『すごい』と喜んで見てくれるのが励みだった。3年ぶりなので、安全に気を配りながら、しっかり練習したい」と意気込む。
来春に消防団を退団予定の住吉分団の馬道栄弘さん(67)は1998年にまとい隊が再結成された頃からのメンバーで、今回はまとい組の組頭を担う。「正月らしく華やかに盛り上げたい。必ずできると信じ、練習している」と話す。
まとい隊は現在、総勢66人。各自仕事を持ち、コロナの影響もあって集まるのが難しく、全体で合わせられる練習日は20日と市民会館での前日リハーサルの2回のみ。その後、本番を迎える。伊東隊長は「多くの方に消防団の勇壮な姿を見てもらい、防火意識を高める機会になれば」と願っている。
出初め式は毎年1月、市民会館で実施してきたが、2021年は中止、22年も消防団員の表彰などにとどめ、伝統演技を見送っていた。来年1月の出初め式は、午前10時開始。市民会館駐車場に並べた消防車両前を行進する観閲式の後、大ホールに移動し、消防団協力事業所や消防団員の表彰を経て、まとい隊の伝統演技が披露される。