苫小牧市錦西町の北洋大学(奥村訓代学長)は今年度、地域の企業関係者を迎えた授業を展開している。飲食業や運輸・貿易業など市内の12社の社長らが登壇。学生へのPRの場となるとともに、学生の企業理解にもつながっている。
3年生以上を対象にした「地域経済論」の授業内で実施。同大が北海道中小企業家同友会苫小牧支部に依頼し開講した。全15回の講義で、今年度は24人の受講生が登録。これまでにアタカ造船所(汐見町)や一休そば(有明町)、北澤建設工業(桜木町)の担当者が講義を繰り広げてきた。
今月6日は、味の大王の中江友紀常務(39)が担当。「苫小牧のソウルフードをめざして」をテーマに、1965年の創業当時のまちの様子やカレーラーメン誕生の経緯を紹介。ライバル店に負けないラーメンを―と大衆食のカレーライスとラーメンを合わせたが、当時はみそラーメンが人気で「カレーラーメンは邪道。全く売れなかった」と明かした。
その後だんだんとソウルフードとして認められていったといい、中江常務は「カレーラーメンを残すには地元のお客さんがおいしいと言ってくれること」と力を込めた。さらに「地域に根差しながら、SNS(インターネット交流サイト)で世界に発信していければ」と今後の目標を語った。
4年の大門克仁さん(22)は「1~2カ月に1回は食べに行っている。貴重な話が聞けた」と感想を述べ、同授業について「地域のことを知れて楽しい」と話した。