労災過去10年で最多 苫小牧労基署管内 コロナ休業急増

労災過去10年で最多 苫小牧労基署管内
コロナ休業急増

 苫小牧労働基準監督署管内(東胆振1市4町と千歳市)の死亡または4日以上の休業を伴う今年の労働災害件数(速報値)は11月末時点で776件で、過去10年の年間件数をすでに上回り、最多となった。新型コロナウイルス感染に伴う休業が全体の4割を占め、長引くコロナ禍が総数を押し上げた。

   労災件数は年間450~500件で推移してきたが、コロナ禍が直撃した20年に596件、21年には583件と600件に迫る勢いとなった。さらに今年は、11月末時点で前年同期比290件増と跳ね上がった。

   原因別では、コロナ感染を含む「その他」が326件(前年同期比272件増)と激増した。次に「転倒」131件(同2件増)、「墜落・転落」65件(同6件減)が続いた。「挟まれ・巻き込まれ」「動作の反動・無理な動作」は各53件、交通事故は19件で、前年同期に比べいずれも微減。死亡は4件で前年同期と同じだった。

   業種別に見ると、保健・衛生業が313件(同256件増)で最多。次に製造業112件(同28件増)、道路貨物運送業73件(同1件減)、卸売・小売業58件(同2件増)、建設業54件(同6件減)と続いた。

   同労基署は「コロナ感染の休業は通年で多く、この傾向はまだ続きそう」と指摘。大雪の影響で1~3月に転倒事故が目立ったことに触れ、「路面状況や天候に合わせた車の走行など、改めて防止対策の徹底をお願いしたい」と冬期間の注意を呼び掛けている。