今年度の瑞宝単光章(消防功労)を受章した苫小牧市沼ノ端中央の元市消防団分団長中須勝治さん(83)と汐見町の元市消防司令佐藤博芳さん(72)への叙勲伝達式が21日、市役所で行われた。岩倉博文市長から勲記と勲章を受け取った2人は「先輩や同僚、家族など多くの方の支援のおかげ」と語り、栄誉をかみしめた。
中須さんは1967年8月、沼ノ端分団に入団。消防団活動は39年間にわたり、2001年から退団する07年までは分団長も引き受けた。佐藤さんは1973年から38年間、市消防職員として活躍。2005年から消防司令に任命され、11年の定年退職まで務めた。
式の後、岩倉市長と懇談し、中須さんは1983年に市消防署の沼ノ端出張所が開所されるまで、地域で火災が起きるたび現場に駆け付けた思い出を語り、「1日に3回出ることもあり、大変だった」と回顧。佐藤さんは2003年の十勝沖地震直後の市内製油所のタンク火災に触れ、「20メートル以上のタンクの上で、7~8人で消火活動に当たった」と過酷な現場を振り返った。
岩倉市長は「市民の安全、安心のために長きにわたって取り組んでいただき、ありがとうざいます」と感謝を伝えた。