佐々木館長が展示解説 白老 国立アイヌ民族博物館 白老

佐々木館長が展示解説 白老 国立アイヌ民族博物館 白老
自身が起草したアイヌ語のあいさつ文について解説する佐々木館長

 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)中核施設の国立アイヌ民族博物館で24日、佐々木史郎館長のギャラリートークが行われ、約20人の参加者が耳を傾けた。第3回テーマ展の一環。佐々木館長が来館者や展示物を前に見どころを解説するのは初めて。

   館長は自ら起草したあいさつ文を展示する会場入り口で、日本語をアイヌ語に翻訳する難しさなどを紹介。同館の案内表示は、アイヌ語を第1言語として掲げており、本展のタイトルにもある「ウアイヌコロ コタン」は民族共生象徴空間のアイヌ語名称で、愛称のウポポイは「みんなで歌う」という意味であることにも触れた。

   ウポポイが生まれた経緯を紹介する展示の前では、同施設が2007年の国連における「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を契機に開設に動きだしたことなどを解説。シベリアなど北アジアを対象とした文化人類学者の佐々木さんは、有識者懇談会や同館設立準備室のメンバーとして関わったことに触れ、「新しい博物館をつくり上げることは一生に一度あるかないか。多くの仲間と苦労を分かち合い、開館できたのは大きな喜びだ」と話していた。

   会期は来年2月12日まで。開館準備の全容やアイヌ語案内表示に向けて検討を重ねてきた様子などを資料や映像など計60点の展示で紹介している。