駒大苫小牧高校美術部の2年生藤原さらさん(17)の油彩画「Stellar(ステラ)」が、第23回高校生国際美術展(美術の部)で佳作に選ばれた。唇を突き出した女性の顔を情感豊かに描いたF50号(縦116・7センチ×横91センチ)の力作。藤原さんは「後輩たちと抱き合って喜んだ」と笑顔だ。
絵のモデルは、同部の仲の良い同級生。放課後、教室でふざけて撮り合った写真の中から迫力ある1枚をモチーフとしてピックアップした。1年生の2月ごろ制作に着手し、3カ月ほどを費やして完成させた。
写真を見ながら描いたというが、タッチや色使いは藤原さんのオリジナル。本来のまつげの色は黒だが、白にし、髪の毛や表情もカラフルにした。
モデルの女性は、明るく活発で同部を盛り上げてくれる存在だったことから、作品名は星をイメージしてステラと命名。作品の中央に行くほど明るく、端に行くにつれて青色に塗った。子どもっぽい一面も表現しようと、作品の手前はクレヨンで描いたようにした。
油彩画制作は高校に入って始め、最近、手掛けるのは人物画が中心。F50号の作品は2作品目で「動植物や人間などをリアルに描くのが好き」と話す。
次回の同展に向け、新たな油彩画を描く準備を進めており、「今度は人以外の絵にも挑戦したい。実家の犬や植物、景色の絵にも興味がある。今以上に思いを込めて絵を描きたい」と意気込む。
新谷史子顧問は「2年生で入選したのはすごい。ダイナミックに絵を描く生徒で、親友のキャラクターを見事に表現している」と評価した。
高校生国際美術展は世界芸術文化振興協会(東京)が主催。高校生の豊かな才能の育成と国際的な親睦、交流を深めることを目的に実施しており、世界各国から応募がある。
今年の美術の部の応募総数は1285点で、このうち入選数は151点。7月上旬に審査結果が公表されこのほど、各作品が作者の手元に戻った。同部は1~3年生16人が所属しており、部員の佳作入選は3年連続となる。