23年版いぶり縄文カレンダー 苫小牧から3作品採用 優秀賞の谷村さん、細川さん、菅沼さん

命のつながりを表現した谷村さん

 苫小牧青翔中学校1年の谷村光璃さん(12)と、苫小牧高等商業高校1年の細川めいさん(16)、菅沼心さん(16)の描いた絵が、胆振総合振興局が縄文遺跡群をテーマに作成した「2023年版いぶり縄文カレンダー」に採用されている。応募作品の中から優秀賞に選ばれたもので、両校で行われた表彰式では同局職員が3人に賞状を手渡した。

   同カレンダーは「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録1周年を記念し、製作が企画された。胆振管内の縄文遺跡群を広く知ってもらおうと昨年6~8月、管内の小中学校や高校、大学を対象に同遺跡群に関する絵を募集。8校から31作品の応募があり、カレンダーの表紙にする特別賞を1点、内部に使う優秀賞を6点選んだ。

   谷村さんは命のつながりをテーマに、妊娠しておなかが少し膨れた土偶と赤ちゃん、さらにコウノトリを真ん中に色鉛筆で描き、古代から現在までの時の流れを土偶を映した映画フィルムで表現した。土偶に興味を持ったのは、2年前に伊達市の北黄金貝塚を訪れたことがきっかけで「昔からのつながりがあって今があることを伝えたかった。将来は縄文文化を守り、未来に伝えていく仕事に就きたい」と話した。

   細川さんは、洞爺湖町の高砂貝塚から出土した土偶や土器を全面に描いた。1日かけて制作し、土器や土偶の形をできるだけ正確に表現することに苦心したという。賞状を受け取り「学校のデジタルデザイン部の活動の一環で応募した。入賞にとてもびっくりしたけどうれしい」と笑みを浮かべた。

   菅沼さんは、貝塚の墓の中にうずくまるような姿で葬られている人骨を描いた。貝塚には物を捨てる以外に、死者を埋葬する墓の役割もあったことを知り、貝塚の墓をテーマにしたという。死者の眠る墓が大地の一部となって自然の中に返っていく様子を、墓の周りに草花で描いて表現し、「人とかぶらないテーマで作品を作りたかった。これからも絵を描き続けたい」と意欲を見せた。