謹んで新春のお祝いを申し上げます。新年を迎えたウトナイ湖は本格的な冬の様相となっていますが、野生動植物たちもたくましく生きています。今年の干支(えと)のウサギであるエゾユキウサギもその一種です。
エゾユキウサギは、ウトナイ湖を含む苫小牧東部で1年を通して生活しています。基本的に植物を食べ、積雪期には草の根や樹皮も食べます。暖かい季節は全身が茶色の毛になり、また、冬は全身真っ白な毛になるため保護色で見えづらく、その上で警戒心も強いため、その姿を見ることが難しい存在です。ただ、雪が積もった後であれば、姿は見えずとも、その存在を感じることができます。
存在を教えてくれるのは足跡です。エゾユキウサギの足跡は、Yの字のように並ぶのが特徴で、比較的に見分けが付きやすいです。足跡の進行方向はYの字の上の方向になります。足跡を見ながら、どこに行くのか、何をしているのかなど行動を想像してみるのも楽しみ方のひとつです。
ネイチャーセンターやウトナイ湖野生鳥獣保護センター周辺でもたびたび足跡を見ることができます。時に、エゾユキウサギの足跡とキタキツネの足跡が交差後に、キタキツネの足跡がエゾユキウサギを追う方向に変わっていたこともあります。その後の展開で、ウサギのその跳躍力とキツネの尾行力のどちらが勝るのか想像すると楽しくなります。ウサギはその跳躍力から飛躍の象徴として縁起物でもあります。私も卯(う)年ですのであやかりたいものです。
鳥獣保護センターではレンジャーとボランティアさんが自然の中をご案内する「お気軽ガイドウォーク」を毎月第2日曜日午前10時30分から実施しています。時間は1時間ほど、対象はどなたでも(小学生以下は保護者同伴)、参加費無料、定員先着10人です。事前申し込みなしで直接、鳥獣保護センターにお越しください。
(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・瀧本宏昭レンジャー)