2023年の景気見通しについて、「悪化」局面を見込む道内企業は22年見通しから13・9ポイント増の28・9%と大幅に増えたことが、帝国データバンク札幌支店の調査で分かった。景気の懸念材料(複数回答)では、「原油・素材価格の上昇」が8割強を占め、突出して高かった。
一方、「回復」局面になると見込む企業は6・1ポイント減の7・8%と10%を割った。「踊り場」局面も3・6ポイント減って35・4%だった。
企業からは「新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、消費低迷やウクライナ戦争による各種影響などによって農畜産業の先行きは見えない状況が続く」(肥料・飼料卸売業)、「資材価格や下請け業者施工費の高騰、人手不足など悪い条件しか見当たらない」(土木工事)と厳しい声が上がっている。
23年の景気の懸念材料では、「原油・素材価格の上昇」が81・2%でトップ。これに「為替(円安)」(43・1%)、「人手不足」(34・3%)が続いた。
今後、景気が回復するために必要な政策(複数回答)では「原材料不足や価格高騰への対策」が46・2%で最多。以下、新型コロナウイルスなどを含む「感染症の収束」(38・3%)、「個人消費の拡大策」(34・3%)、「人手不足の解消」(33・8%)、補助金・給付金などの「中小企業向け支援策の拡充」(33・6%)の順。
企業からは「個人消費の拡大が第一歩。消費意欲の向上が図られない限り、給付や所得を増やしても出し渋り、経済に回るキャッシュ増加が見込めない可能性がある。短期的でもいいので個人に係る税の軽減や一時的な消費税廃止、生活必需品に対する補助などを行うべきだ」(土木工事)との指摘が出ている。
調査は昨年11月16~30日に道内企業1186社を対象に実施。554社から回答を得た。回答率46・7%。