苫小牧樽前小の記録、後世へ 市民有志が3Dマップ製作

 写真撮影や動画製作などを手掛ける苫小牧市新中野町の「create K(クリエイトケイ)」の加藤大明代表(49)ら市民有志4人が、苫小牧樽前小学校校舎の3Dマップ=QRコード=を完成させた。昨年6月に開校100周年を迎え、現校舎は来年9月に解体予定のため、後世に記録を残そうと企画した。

   製作メンバーはいずれも市内在住で、加藤代表の他、写真家の佐藤裕美さん(40)、尼崎雅浩さん(58)、ドローン撮影事業者「FlyHigh(フライハイ)」の南條春雄さん(47)。

   4人は仕事仲間で、現校舎が取り壊されることを知り、卒業生や在校生の思い出が詰まった歴史ある建物を何らかの形に残したい―とそれぞれの技能を生かし、同校の3Dマップ製作を決めた。

   昨年9月、開校100周年を記念して同小の近くで行われた「100年花火」の撮影にも関わっており、同校の自然豊かな環境に以前から魅力を感じていたという。

   市内の公共施設や商業施設の3Dマップ作成を手掛けた経験を持つ加藤さんが中心となって、昨年11月から作業。360度撮影できるカメラを等間隔で移動させ、撮ったデータを基にマップを仕上げていった。

   マップ上では職員室や教室、体育館などを隅々まで自由に閲覧でき、実際に校舎内を歩いている気分を味わえる。真上や横から校舎内を見たり、指定した地点から距離を測ったりすることも可能。VRゴーグルにも対応している。

   同校のシンボルである校庭の「百年桜」の写真や、昨年11月の開校100周年記念式典の動画なども閲覧できる。加藤代表は「卒業生たちに喜んでほしいと作った。今後は学校側とも相談し、行事の映像やアルバム写真なども表示できるように更新していけたら」と話す。