鈴木直道知事は20日の記者会見で、岸田文雄首相が新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、現在の「2類相当」から今春にも季節性インフルエンザ並みの「5類」へ引き下げる作業を進めるよう関係閣僚に指示したことに対し、「道民の日常にも大きく影響する。現在の対策をどうしていくのかということが重要だ」との認識を示した。「春というのが何月なのか分からないが、時間がない」と指摘し、全国知事会とも連携し「早急に国としての考え方を示すよう強く求めていく」との姿勢を示した。
「5類」に移行した場合、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言などによる飲食店の営業制限や外出自粛要請、感染症法に基づく感染者の自宅療養の要請など、さまざまな行動制限の法律上の根拠がなくなり、大幅に緩和される。さらに首相は▽医療提供体制や、全額公費で賄われている医療費を自己負担に段階的に移行▽ワクチン接種も同様に自己負担への移行を検討▽マスク着用の目安についても緩和の検討―を指示した。
知事は「2類相当から5類に変えたら、何か問題が全て解決するということではない」と述べ、例えば「必要な医療の提供をどのように図っていくのか。医療費の公費負担も地域間で格差が生じないよう、国費での対応が必要だ」と指摘した。マスク着用緩和に関しても「現在、屋内で距離が確保できず、会話する時は着用をお願いしている」とし、これを見直す場合は「エビデンス(科学的根拠)を持って道民に理解と協力が得られる説明が必要だ」との考えを示した。
コロナ対策を大きく変更する場合は「結局、現場は市町村であり、都道府県」とし「国がこうします、ああしますと言っても説明を求められるのは市町村と都道府県になる」と強調。国に対しては「自治体とも協議を行ってもらうよう、全国知事会としても求めている」と語った。