空き家

空き家

 日々の仕事や暮らしに追われて先延ばしにしている問題が幾つもある。「古くなっていく住宅を将来、どうするか」も悩む人の多い大問題だ。自分も、そろそろ、いやまだ―と考えることがある。

   いわゆる新興住宅地に住んで30年ほどになる。転勤のどさくさに購入し間取りや壁の色の好き嫌いを言う間もなく引っ越した。そして子ども2人を育てた家。居間の柱には孫の成長の跡も傷となって残っている。居住者は夫婦2人。子どもたちの仕事や住宅事情を考えると、この家が、わが家の次世代の生活に必要とされることはおそらくないに違いない。

   先日の全国紙朝刊の記事「空き家増加 立ち往生」を切り抜いた。全国に長期間無人で、売れず相続もされない空き家が349万戸もあるという。持ち家比率の高い団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年以降はさらに急増しそうだという。すべて自分の課題だ。

   近所に長く空き家になっていた2階建ての住宅があった。庭木の枝がぐんぐん伸び、歩道から玄関につながる通路部分も背の高い雑草に覆われていった。建物と庭木が無くなったのに気付いたのは何カ月か前のことだった。ポッカリ広がる空き地を見て、どんな解決をしたのか想像した。さてわが家は、自分は―。(水)