北郷さん引きこもりと高齢化で講話 まゆだまの会 苫小牧

北郷さん引きこもりと高齢化で講話
まゆだまの会 苫小牧
親亡き後の備えの大切さを訴える北郷さん

 家族の引きこもりに悩む人の会「まゆだまの会」(山岸康弘会長)の例会が20日、苫小牧市民活動センターで開かれた。全国ひきこもりKHJ家族会連合会北海道「はまなす」の会長北郷恵美子さん(77)が引きこもり当事者と親の高齢化問題について講話。自身の経験を交えながら、子どもが1人で残されても生きていけるような備えの大切さを訴えた。

   まゆだまの会のメンバーをはじめ市福祉部の職員、引きこもり経験者の就労をサポートする機関のスタッフなど約10人が参加した。

   北郷さんは、中学生の時から約30年間、引きこもり状態が続く40代の息子について、以前は家から一歩も出ることがなかったが、十数年前の引っ越しを機に少しずつ外に出られるようになった様子を説明。本人の反応を見ながら雪かきやごみ捨て、料理などの家事をしてもらうようになったことを語り、「自分がいなくなっても1人で生活が送れるよう、日々の生活の中でできることを増やしてあげたいと思った」と話した。

   加えて、親亡き後の子どもの社会的孤立を防ぐため、親が支援機関とのつながりを維持し、いざという時の連絡先を子どもに伝えておく必要があると強調した。

   例会は毎月1回、市民活動センターで実施。引きこもりに関する学習のほか、メンバーの近況報告と悩みや不安などを話し合う自由な交流の時間も設けている。