苫小牧市と道は20日、市民活動センターで「多文化共生」をテーマにしたワークショップ(WS)を開いた。市や安平、白老両町の職員ら約50人が参加。地域で生活する外国人に接する際に必要な考え方や、コミュニケーションの在り方について理解を深めた。
道の「多文化共生に係る課題解決モデル事業」の一環。昨年11月に同市の管理職向けにセミナーを開いており、今回は窓口対応の職員向けに企画された。
一般財団法人ダイバーシティ研究所の田村太郎代表理事は、労働力不足を背景に政府が受け入れを推進する外国人にもっと配慮し、理解を深めていく必要性を強調。北海道外国人相談センターの主任相談員、エミリー・シュースターさんは「日本に長く住んでいる人でも(日本語の)読み書きができない人は少なくないが、口頭で説明すれば理解は進む」と述べた。
札幌国際大学の金庭香理教授は、外国人や子どもにも伝わりやすい「やさしい日本語」を紹介。参加者は6~7人グループに分かれ、普段多用しがちな言葉遣いを、やさしい日本語に言い換える練習をした。
金庭教授は「(やさしい日本語の使用で)外国語を話さなければ―という緊張から解放される」とした上で「言葉を簡単にするだけでなく、相手の立場になって話すことが大切」と訴えた。