労働組合の中央組織・連合(芳野友子会長)は25日、札幌市内で北海道ブロック会議を開いた。芳野会長は23日に行った経団連の十倉雅和会長との労使トップ会談で2023年春闘が事実上始まったことを挙げ、「生活の基盤を立て直すためにも、春闘を反転攻勢のスタートの年にしなければならない」と強調。歴史的な物価高を受け、使用者側も賃上げに前向きな姿勢を示しており「今年は労使の方向感はほぼ一致していると判断している」と述べ、今後の各単組の労使協議に期待感を示した。
ブロック会議が道内で開かれるのは4年ぶり。連合本部と連合北海道の幹部ら約40人が出席。冒頭あいさつ以外は非公開で、賃上げ問題や政治関連などを巡り意見を交換した。
芳野会長は「目下の厳しい状況を反転させるためには賃上げしかない」と指摘。「この30年間、どんなに働いても、成果を出しても、それに見合った賃上げがされないまま時間だけが過ぎた」と振り返り、「気が付けば先進主要国の中では唯一、賃金が上がらない、安い日本になってしまった」と述べた。こうした状態が続けば「国力は落ち、国民は貧しくなっていく一方」と警鐘を鳴らした。
昨年12月の消費者物価指数は前年同月比4・0%増と41年ぶりの上昇率に。物価の影響を考慮した実質賃金は前年割れが続いている。これを受け、連合は賃上げ目標を「5%程度」と28年ぶりの水準に引き上げた。芳野会長は「社会全体で賃上げへ向けた機運をつくり、全ての働く人の雇用と生活を守る政策の実現を目指したい」と力を込めた。
4月に迫った統一地方選の対応については「連合本部としては人物重視、候補者本位という、人に着目した戦い方を目指していく」と強調。立憲民主党と国民民主党との「距離間」に関しては「両党とはトップ懇談会を通じて、これから一緒にどのように戦っていけるのか、議論を日々積み重ねている」と説明。「連合が中心となって、一緒に戦える体制を模索し続けていきたい」との姿勢を示した。