道路建設(本社札幌市)は25日、苫小牧工業高校で出前授業を行った。土木科の2年生40人が、最先端技術を活用した無電柱化や電線類地中化などの工事について、現場のプロから話を聞いた。
舗装業の魅力ややりがいを知り、仕事に理解を深めてもらおうと、同社が高校に働き掛けて初めて実施した。
授業では、同社取締役工事部長の千葉佑介さんが無電柱化について、電線を地中に埋めて電柱を無くすと、景観が良くなり、災害時は断線による停電や電柱倒壊を防げることを説明。欧米やアジアの主要都市では進んでいるが、日本は水道管など地中に埋まっている物の確認作業や費用面で課題が多く、大きく遅れていることを伝えた。
副参事工事長の井上高弘さんは、自身が現場代理人を務めた市内の電線類地中化工事の内容を紹介。従来は埋まっている物を探るために機械で地面を徐々に掘り下げて計測するなど、さまざまな工程を要したが、現在は地上から地中を正確に探査し3次元化できる新技術「地上・地下インフラ3Dマップ」の活用で作業が効率化したことなどを語った。
中村圭佑さん(17)は「無電柱化は景観を重視する観光地だけの話と思い、苫小牧でも工事が行われていたことは知らなかった。住民が安心して暮らせる環境をつくっていることを知り、感銘を受けた」と話した。