苫小牧市美術博物館で28日、企画展「生誕100年記念 能登正智(のとまさとし)展」が開幕した。昭和~平成に苫小牧を拠点に活動した画家、能登正智(1922~2001年)の版画や油彩画など約130点を展示している。3月12日まで。
稚内市出身の能登氏は、王子製紙に転職した1941年から苫小牧で生活。油彩画やガラス絵、木版画など多彩な表現方法で、北の大地や人々への賛歌を想起させる作品を多数残した。
特別展のテーマは「青い風を見つめて」。油彩画には「ウルトラマリンブルー」の色彩が多用されており、同館の立石絵梨子学芸員は「能登氏の画集の中から、作品を表す特徴的な言葉を選んだ」と言う。
会場には、47年から2001年までの作品を「模索の道程」「版画礼賛」など4章に分けて展示。荒々しい彫り跡が特徴の「萌志理神威列像」や版画集「勇武津領昔図絵」「山線軌道」に掲載された作品などが目を引く。
市内大成町の高橋善雄さん(90)は「版画は色が鮮明に出ており、見応えがある」と満足そうだった。
午前9時半~午後5時(最終入場は同4時半)。月曜休館。