確保病床数引き下げ 道コロナ対策本部 イベント人数上限も撤廃

確保病床数引き下げ 道コロナ対策本部 イベント人数上限も撤廃
確保病床数のフェーズ引き下げを決めた対策本部会議=30日午後3時40分ごろ、道庁

 道は30日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、道内の感染状況を分析した。新規感染者数、病床使用率とも減少傾向が継続しているため、現在、3段階の最高レベルの「フェーズ3」(2408床)に設定している全道の確保病床数を2月1日から「2」(約2100床、道南圏を除く)に引き下げることを決定。中位の「フェーズ2」になるのは昨年11月13日以来。鈴木直道知事は「新規感染者数は減少しているが、依然として高齢者施設などで集団感染(クラスター)が発生している」と指摘し、「マスクの適切な着用や十分な換気など基本的な感染対策の再徹底を」と道民に呼び掛けた。

   全道の30日現在の感染状況は(1)人口10万人当たりの新規感染者数(直近1週間)192・9人(2)病床使用率26・7%(3)重症病床使用率5・6%。(3)は横ばいが続いているが、(1)と(2)は減少傾向。知事は「10万人当たりの新規感染者数は直近の最多だった昨年11月22日から約8割減少。昨年の夏以降、最も低い水準になっている」と述べた。

   また、政府が27日に新型コロナウイルス対応の指針「基本的対処方針」を改定し、イベントの人数上限を事実上廃止したことを受け、道も30日からこれに準拠することを決定。これまで観客が大声を出す場合は観客数を「収容定員の50%」としていたが、マスク着用など感染防止安全計画の提出を条件に、この制限を廃止し、収容定員の100%まで入場可能となる。

   知事は「既に感染防止安全計画を提出しているイベントには個別に連絡を行うほか、今後実施を予定しているイベント主催者に対し、マスクの適切な着用など基本的な感染対策を行った上で実施するよう丁寧に周知を」と本部員に求めた。

   また、新型コロナの感染症法上の分類が5月8日から季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げられることについて、知事は「有識者や市町村の意見を伺いながら、道としての課題の整理を進めるように」と指示。その上で全国知事会が設置した見直しに関するワーキングチームで「課題について議論し、国と協議を行い、明確な方針が早期に示されるように働き掛けを行っていく」との姿勢を示した。