出産直後に男児を殺害し、JR千歳駅構内のコインロッカーに遺棄したとして殺人と死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職小関彩乃被告(23)の初公判が1月31日、札幌地裁(井下田英樹裁判長)であった。小関被告は罪状認否で、「間違いありません」と全面的に起訴内容を認めた。
起訴状によると、小関被告は昨年5月16日ごろ、札幌市中央区のホテルの一室で出産したばかりの男児を湯の張った浴槽に沈めて殺害し、同31日に駅のコインロッカーに遺体を遺棄したとしている。
冒頭陳述で検察側は、小関被告が購入した薬剤で遺体を溶かそうとしたり、レンタカーを運転し埋める場所を探したりしていたことに触れ、「知的能力に問題はなく、被告の考え方に起因した事件」と指摘した。
一方、弁護側は発達障害の特性がある可能性に言及した上で孤立出産の影響にも踏み込み、「肉体的にも、精神的にも疲労していた」と説明した。弁護側の証人として、匿名で乳児を受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する慈恵病院(熊本市)の蓮田健院長が出廷し、孤立出産の危険性を証言した。
判決は3日に言い渡される。