輸入額初の1兆円台 資源高、円安が影響 22年苫小牧港

輸入額初の1兆円台 資源高、円安が影響 22年苫小牧港

 函館税関苫小牧税関支署がまとめた2022年の苫小牧港貿易概況(速報値)によると、輸出入総額は前年比59・7%増の1兆4317億7100万円と大幅に伸びた。うち輸入額は記録の残る1976年以降で初めて1兆円を超え、原油や石炭など資源の高騰や円安が大きく押し上げた。

   輸入額は前年比で58・5%増の1兆1841億3300万円。品目別で「石炭」の輸入量は同6%減の450万5543トンにとどまったが、金額は前年の2・4倍の1677億2800万円に膨らんだ。

   「原油・粗油」は製油所の定期点検の影響で、輸入量は同5・1%減となったものの、金額は62・7%増の4980億7200万円。「飼料」も国際的な値上がりで29・3%増の381億3300万円だった。

   輸出額は同65・6%増の2476億3800万円で、2年連続の増加となった。品目別で「魚介類・同調製品」は、中国向けの冷凍ホタテの需要が旺盛だったため、同63・6%増の525億5400万円。台湾向けのタマネギなど「果実・野菜」も同22・4%増の40億4048万円と伸びた。「紙・板紙」は同83・6%増の140億3100万円で、数量も前年の2倍に増加した。

   国別の輸出額の順位を見ると、1位は中国で、前年の2・7倍の998億7500万円と大幅に増えた。2位は、自動車部品ギアボックスの主要輸出先の米国で、同30・3%増の417億4500万円。

   輸入額の順位では、1位が「原油・粗油」を輸入するサウジアラビアで、前年比2・2倍の2660億1700万円。2位は「石炭」の主要輸入先のオーストラリアで、同2・5倍の1536億3400万円を計上した。