北洋銀行(安田光春頭取)は2日、道産牛乳をインバウンド(訪日外国人旅行者)にPRしようと、新千歳空港国際線ターミナルビルで無料配布を始めた。消費やや輸出の拡大につなげる狙いで、7日まで平日の4日間で5000パックを配る予定。安田頭取は「本道産業の持続発展の一助になれば」と力を込めた。
本道経済の発展を目指した貢献事業で、同空港では初めての取り組み。ホクレン農業協同組合連合会、北海道エアポート(HAP)、道、北海道信用金庫協会、北海道信用組合協会が協力した。
初日は安田頭取や同連合会の西川寛稔副会長、HAPの蒲生猛社長、苫小牧信用金庫の小林一夫理事長ら、各団体の幹部ら9人が法被姿で牛乳を配布。韓国や台湾から到着した旅客らに、200ミリリットルの牛乳パックを手渡すと、ロビーでさっそく牛乳を飲む外国人も。「デリシャス」などと笑顔が広がった。
同行によると、日本からアジア圏への牛乳乳製品の輸出額は増加傾向で、国内の生乳生産量約740万トンのうち道産が約6割を占めている。安田頭取は「外国人においしい道産牛乳を知ってもらい、滞在中の購入や輸出拡大に寄与できれば」と意欲を見せる。3、6、7日も同行従業員が同所で牛乳を無料配布する。
西川副会長は「コロナ禍の影響、在庫の積み増し、資材価格の高騰、個体販売の落ち込みなど、令和の酪農危機」と指摘し「異業種に応援していただき励みになる。道産牛乳のファンが一人でも増えれば」と期待した。蒲生社長も「われわれの会社にとっても力になる。北海道のいいものを、外国に出していきたい」と意気込んだ。