苫小牧保健所は14日、今季2度目のインフルエンザ警報を発令した。管内(東胆振1市4町)定点医療機関当たりの患者数は4~10日の1週間、45・88人で基準値30人を超えた。1シーズンに2度の発令は2014以降の直近10年で初。異例ともいえる長期間の流行に、同保健所は「人の多い場所に行く際はマスクを着けるなど個人の判断で感染予防を」と訴えている。
インフルは、1定点当たり患者数が10人以上で注意報を、同30人以上で警報を発令し、警報発令後は同10人以上で警報を続ける。管内は定点医療機関8カ所で感染動向を把握しており、今季警報は昨年11月30日~今年1月14日以来、約2カ月ぶりの発令となった。
今季1回目の警報発令はこの10年間では最も早く、年末年始でいったん患者数は減ったが、1月以降は例年インフルが猛威を振るう時期とあり、警報解除後に感染が再拡大した。定点当たり患者数は1月29日~2月4日の週、11・25人となったため注意報を発令し、2月12~18日の週以降は3週連続で20人以上だった。
コロナ禍の徹底的な対策の反動も懸念される中、管内では今年2月以降に限っても、子どもがかかりやすい感染症の咽頭結膜熱(プール熱)と、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶レン菌)の警報をそれぞれ発令している。インフルも子どもを中心に流行し、同保健所は「複合的な要因で感染が各世代で広がっている」と警戒を強める。
感染予防として、外出後の手洗いや適度な湿度の保持、マスクの着用はせきエチケットの励行など、基本的な対策を呼び掛けている。重症化防止の観点からワクチン接種も勧めており、「今年は寒暖差も大きく、体に負担がかかりがち。感染予防に取り組んでもらえたら」としている。