おわび行脚も厳しい視線 堀井氏、4日にも党の処分 裏金事件

おわび行脚も厳しい視線 堀井氏、4日にも党の処分 裏金事件
「おわび行脚」する堀井氏=3月16日、安平町

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、前内閣府副大臣の堀井学衆院議員(比例代表道ブロック)に対し、支持者の不信感が高まっている。堀井氏は胆振・日高管内で「おわび行脚」をしているが、同党苫小牧支部(板谷良久支部長)が3月に異例の意見書を出すなど、厳しい視線が注がれ続けている。4日にも党の処分が出る見通しだが、その内容にかかわらず次回選挙に向けては不透明感が漂っている。

   裏金問題で堀井氏は、所属する清和政策研究会(安倍派)から2196万円のキックバック(還流)を受けながら、収支報告書に記載していなかった。1月27日に登別市内で記者会見を開き、同党道9区(胆振、日高管内)の支部関係者向け説明会を開いたが、「説明不足」を指摘する声が噴出。2月17日には苫小牧支部が定期大会を開いたが、堀井氏は欠席して関係者の反感を買った。

   これらの状況を踏まえて同支部は3月4日、堀井氏に異例ともいえる意見書を出した。苫小牧市、室蘭市などの後援会幹部が相次いで辞任し、大票田である都市部の後援会活動が実質的に停止状態となっている状況を受け、「後援会を再建しないのか。後援会は不必要と考えているのか」と厳しく指摘。苫小牧での活動についても「非常に弱い」とただし、「ここに活動の拠点をつくらないで、どこから集票しようとするのか」と訴えた。

   さらに堀井氏に対しては、地元有権者も日ごろから「普段顔を出さない」「何をしているのか分からない」などと首をかしげているのが現状のため、意見書では「地元回りをしないのか。有権者と語り、話をして、政治に反映する活動をやらないのか」と追及。その上で「問題を無視、放置、これまで通りとされるなら、われわれにも覚悟がある」と迫ったが、堀井氏側から現時点で回答は得ていないという。

   堀井氏は3月9日から胆振、日高管内の党支部の関係者に対し、裏金の詳細を説明する「おわび行脚」を展開している。一連の経緯や使途の説明を受けた追分支部関係者によると、事務所の資金難について話す一幕も。一定の理解を示す声もあるが、同支部の八木寧秀支部長は次回選挙に向けて「総選挙があった場合に公認されないのでは」と懸念する。

   4日にも処分が出るとみられる中、関係者によると堀井氏はこれまでのおわび行脚で、自身に重たい処分が出る可能性や、次期選挙の出馬を見送る可能性にも言及しているという。板谷支部長は「処分を聞いた上で、次の戦いを考えていかなければ」と危機感を募らせ「他支部を回って何かしらの判断をしていると思うが、今のところ何も言える状態ではない」と今後の動向を注視する。