苫小牧漁業協同組合の錦多峰さけ・ますふ化場(錦岡)で、サケの稚魚がすくすくと成長している。早くにふ化した稚魚は体長5センチを優に上回り、同漁協も「今年も順調に大きくなっている」と説明。今月中旬にも放流を始める予定だ。
稚魚は採卵時期と生育状況を踏まえ、六つある飼育池に分けて育てている。錦多峰川から太平洋へと泳ぎだす日に備え、稚魚たちの食欲も旺盛で、餌を催促するように水面から口を出したり、飛び跳ねたりと元気いっぱいだ。
毎年恒例の「育てる漁業」。同漁協は秋に錦多峰川で親魚を捕獲し、受精卵を確保して稚魚を育て、翌年春に放流して数年後の漁獲につなげている。今シーズンも昨年9~11月に親魚を取り、受精卵400万粒以上を確保していた。
同漁協の秋サケ定置網漁は昨年、胆振海区漁業調整委員会に記録が残る1997年以降で漁獲量が最低となったが、同漁協は「小まめに採卵して何とか錦多峰で一定数を確保できた。早ければ今月中旬に放流を始められそう」としている。