3月の道内景況 2カ月連続で改善 サービスなど6業界けん引 帝国データ札支店

3月の道内景況 2カ月連続で改善 サービスなど6業界けん引 帝国データ札支店

 帝国データバンク札幌支店は、3月の道内景気動向調査結果を発表した。景気DI(「良い」と回答した企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた数値)は前月比0・6ポイント増の42・4となり、2カ月連続で改善した。業界別でも9業界中、サービスなど6業界が前月から改善した。

   全国平均(44・4)を2・0ポイント下回り、その差は前月から0・1ポイント縮小した。

   企業の規模別では、大企業は前月比0・2ポイント減の44・4となり、3カ月連続で悪化。中小企業は0・8ポイント増の42・1となり、2カ月連続で改善。中小企業のうち小規模企業は1・1ポイント増の42・3となり、2カ月連続で改善した。大企業と中小企業の格差は2・3ポイントで、前月から1・0ポイント縮小した。

   業界別では、農・林・水産、建設、製造、小売、運輸・倉庫、サービスの6業界が前月から改善。4カ月ぶりに改善したサービスは2・2ポイント増の47・1となり、9業界中、最も高い水準に。製造(0・8ポイント増の42・1)と小売(1・9ポイント増の38・5)は2カ月連続で改善した。

   一方、不動産と卸売の2業界は悪化。不動産は2・1ポイント減の46・5となり、2カ月連続で悪化した。また、金融(46・7)は2カ月連続で横ばいだった。

   先行き見通しでは、「3カ月後」が45・2(前月調査44・1)、「6カ月後」が45・8(同45・2)、「1年後」が44・4(同44・3)。3指標とも前月から改善予想だ。

   企業からは「インバウンド(訪日客)や学生の卒業旅行が好調」(飲食店)、「人件費の高騰に伴い派遣価格も高まったため、1人当たりの売り上げが向上している」(人材派遣・紹介)との声が聞かれる。一方、「観光需要などの復活により売り上げは回復傾向だが、慢性的な人手不足と原材料の価格上昇など収益改善につながらない要素も多い」(飲食料品・飼料製造)との指摘も出ている。

   調査は3月15~31日、道内企業1131社を対象にインターネットで実施。518社から回答を得た(回答率45・8%)。