NIPPON EXPRESSホールディングス(HD、東京)のグループ会社、日本通運(同)は8日、半導体製造に必要な危険品の保管需要に対応した多機能物流拠点を、2025年1月に苫小牧市内で新設予定と発表した。次世代半導体製造ラピダス(同)の千歳市進出を受けた動きで、恵庭市でも今年8月から半導体関連産業に対応した新倉庫を稼働させる。
千歳市やその周辺で半導体関連企業の集積とともに、物流需要の増加が予想される中、苫小牧の多機能物流拠点で化学品や高圧ガス、消防法危険物などの保管や配送などの業務を予定。立地場所など詳細や施設規模、事業費は協議中としている。
苫小牧に物流拠点を設ける理由について、同HDは「苫小牧では半導体製造に関わる危険品を多く取り扱うが、その輸送で内航船を活用した海上輸送が重要」と説明。日本通運はRORO船(フェリー型貨物船)「ひまわり」を苫小牧港で運航しており、その活用をポイントに挙げる。
先行して恵庭市北柏木町4に今年8月、新倉庫「NX―TECT Hokkaido」を開設する。鉄骨造り3階建て延べ床面積約5万1000平方メートルで、最適な温度・湿度で管理するため空調設備を完備し、半導体製造関連の一般材料の保管業務を行う。
日本通運は、ラピダスが千歳市で建設中の工場に、本州からの部材を輸送手配する「取りまとめ業務」の1社に選ばれており、「半導体関連産業の発展をロジスティクス(物流)からサポートする」としている。