ドローン活用防災アプリ公開 會澤高圧コンクリート 「福島RDMセンター」でイベント

ドローン活用防災アプリ公開 會澤高圧コンクリート 「福島RDMセンター」でイベント
イベント開幕のあいさつをする會澤社長(提供)

 會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市)は11日、福島県浪江町の研究開発・製造施設「福島RDMセンター」で、同社の技術の最新動向を紹介するイベント「2024結」を開催し、約330人が参加した。「テクノロジーと生存戦略」をテーマに防災アプリやドローンの量産化、蓄電コンクリートなどの技術を画像とともに解説し、オンラインでも約800人が視聴した。

   冒頭、會澤祥弘社長は「いろんな人が出会い、新しいイノベーション(技術革新)を起こしていく機会にしたい」とあいさつ。東日本大震災や能登半島地震、台湾東部沖の地震に触れながら「あしたの自分に起きる可能性がある。解決のための手段や、技術をどう生かしたらいいのかを考え、追求していく」と語った。

   「シン・防災のかたち」と題する発表では、巨大地震発生後に沿岸部のライブ映像をドローンで撮影し、個人のスマホに送り続ける精密避難支援システムのアプリ「ザ・ガーディアン」を公開。津波からの避難だけでなく、河川氾濫についても3日前から被害エリアを予測、特定し、事前に計画避難を促す仕組みを説明した。宮田達也常務は「被災の可能性のある人が事前に計画的に移動し、被災地からいなくなれば被災者は存在しない」と述べ、「被災者をつくらない」ことの重要性を訴えた。

   新開発の全天候型、長時間飛行の小型ドローンの飛行実験も行い、成功した。

   福島RDMセンターは同社の次世代中核施設として昨年6月、東日本大震災の津波と原発事故からの復興を目指す浪江町に開設された。最新技術の発表と研究者や企業経営者らの交流を促すイベントを毎年開催していく考え。