ファームソレイユ・パティシエ 柴山さん あめ部門2位 道洋菓子作品コンテスト

クリスマスをテーマにしたあめ細工作品

 一般社団法人北海道洋菓子協会主催の「2024北海道洋菓子作品コンテスト大会」(5月31日~6月2日、札幌市)で、洋菓子製造・販売ファームソレイユ(苫小牧市拓勇西町)のパティシエ、柴山加奈子統括マネジャー(33)が、「ピエス・アーティスティック(あめ)部門」に出品し、全部門の2位に相当する札幌市長賞に輝いた。昨年までに6回の入賞を誇る洋菓子部門を「卒業」し、初めて挑んだあめ細工で好成績を収め、柴山さんは「いい評価をしてもらえて驚いた」と喜んでいる。

   同コンテストは年1回、全道のパティシエらが「デコレーションケーキ」や「グラン・ガトー」など7部門で腕を競う大会。柴山さんは昨年まで、アーモンド粉末や砂糖などを練り合わせた洋菓子「マジパン」部門に8回出品。このうち6回入賞し、22年に最高位の知事賞に輝いたことなどを踏まえ、今年はあめ部門に初挑戦した。計112作品がエントリーする中、柴山さんは部門の枠組みを越えて上位者に贈られる札幌市長賞を受賞した。

   柴山さんの作品は、クリスマスがテーマ。あめで高さ約50センチのツリーに花びら、葉っぱをあしらった。花の中心にはサンタクロースやトナカイ、雪だるまが顔を出すかわいいデザイン。マジパンで培った技術を生かし、キャラクターに細かく顔を描くなど、あめとは思えないほど精巧な作品を仕上げた。

   ただ、同店はあめ細工を商品として扱っておらず、柴山さんも「難しかった」と試行錯誤。高温に熱して溶かしたあめを、冷えて固まるまでの時間内で、芸術的に造形していくためには、状態の見極めなど経験が必要。制作に費やす時間も読めないなど、「もっと知識があれば」と謙虚に振り返る。約1カ月半で完成させた作品が全道2位の評価を収め、「うれしい半面、1位ではない悔しさもある」と率直に話す。

   柴山さんがコンテストに挑戦し続ける理由は「若手に興味を持ってもらいたい」との思いから。「苫小牧のお店に勤めていても、全道、全国にチャレンジできる機会があることを知ってほしい」と強調する。10月に開かれる全国規模のジャパン・ケーキショー東京にも挑戦予定で、「これまでは銀賞止まり。表彰式に出られる金賞以上を狙う」と意気込んでいる。

   入賞作品は破損しない限り、7月いっぱい同店本店内に展示する。