原千晶さん2度のがん経験語る 「自分の体守る意識を」

原千晶さん2度のがん経験語る 「自分の体守る意識を」
がん体験を語る原さん

 子宮頸がん、子宮体がんと2度のがんを経験した女優、タレントの原千晶さん(50)によるがんセミナーが14日、苫小牧市内のホテルで開かれた。原さんはがんを正しく知ることやがん検診受診の大切さを説き、「自分で自分の体を守る意識を持って」と訴えた。

   原さんは30歳の時に子宮頸がんを発症した。それまで「健康を全く疑わず、検診を受けていなかった」といい、重い生理痛や不正出血にも「女性特有の部分で人に相談できず『自分で何とかしなきゃ』と思った」と当時の心境を説明した。

   友人の勧めで病院にかかり、がんと分かったが、まだ結婚前。「いつか好きな人と結婚し、お母さんみたいにお母さんになる、と思っていたのでショックだった」と述懐。医師の提案に反して子宮を残す判断をしたが、「間違った選択だった」と振り返った。

   毎月の定期検診で様子を見ていたが、その後は自己判断で通院をやめ、35歳の時に子宮体がんが判明。リンパ節にも転移したステージ3で、子宮全摘手術を受けたことなどをつまびらかに語り、「定期検診をやめたことを今でも後悔している。私のような思いをしないでほしい」と強調した。

   その上で「30代で2度もがんになり、『なぜ私ばっかり』とそんな気持ちでいっぱいだった。自分の身に何が起きているか直視せず、正常な判断をすることから背を向けていた」と率直に総括。「私は悪い例。がんと向き合い正しく知って、病院にも早く行ってもらいたい」と訴えた。

   また、この日はがんサバイバーが多く参加したことを踏まえ、原さんは自身が設立した婦人科がん患者会「よつばの会」で出会い、がんが再発して亡くなった友人のエピソードを通して、自分を見失わず命を生きる大切さも強調した。

   友人は亡くなる直前に「こんな風になったが、私は私」と語ったといい、原さんは「周りはみんな輝いて、働いて、子どもを生んで、『いいな』と言ったら切りがないけど、『これが私の人生』と言ってこの世を去った彼女は最強」と紹介。「病気になっても、何が起きても、胸を張れる自分でありたいと勇気をもらった」と締めくくり、会場は拍手に包まれた。

   セミナーはリレー・フォー・ライフ・ジャパンとまこまい実行委員会、住友生命、日本生命が主催し、約200人が耳を傾けた。同実行委はがん撲滅イベントを20、21日、市内末広町の出光カルチャーパークで開く。