苫小牧港・東港国際コンテナターミナルが取り扱うコンテナ貨物は2023年度、21万6630個(20フィートコンテナ換算)で前年度と比べて22・8%減った。輸出は中国による日本産海産物の禁輸、輸入は円安の影響などを要因にそれぞれ減り、この10年間では最低の取り扱い数となった。
指定管理者の苫小牧国際コンテナターミナル(苫小牧市弁天)のまとめ。コンテナ貨物数は、外航コンテナの輸出入に加え、貨物が入っていない空コンテナや内航コンテナ(内航国際フィーダーコンテナ)も含まれる。2年ぶりに前年実績を下回り、12年度に20万1960個を記録して以来の低水準となった。
輸出(実入り貨物)は前年度比13・5%減の3万6355個で、2年ぶりに前年実績を下回った。主要な輸出品でもあるホタテやナマコなどの海産物が、昨年8月から続く中国の禁輸により減少。また、中国が主要輸出先だった段ボール原紙も、同国内の生産量増加に伴って減少した。
輸入(同)も19・0%減の8万798個で、3年連続でマイナスとなった。主要品目でもあるカナダからの製材、米国や中国からの牧草、雑貨などが円安の影響もあって減少した。
22年度は外航から内航への置き換わりが進み、輸入は減ってもコンテナ総数は増えたが、23年度はこの反動もあって在庫過多による買い控えもみられ、輸入の落ち込みが続いた。
このため内航フィーダーコンテナも大幅に減り、27・2%減の4万6934個。外航の空コンテナも29・4%減の5万2543個で、いずれも2年ぶりに前年実績を下回った。
同社によると今年度も23年度同様、荷動きが低調な状況が続いており、味村康司専務取締役は「回復を願っているが円安もあり、今年いっぱいは難しいのでは」と予測。「コンテナ運賃も輸出需要の増加で、特に東南アジア向けで運賃が高止まりしている」と現状を分析している。