苫小牧市は16日、入院中の岩倉博文市長が治療とリハビリに専念するため、17日から木村淳副市長が市長職務代理者となることを正式に発表し、岩倉市長の容体についても説明した。岩倉市長は副腎機能不全と診断されたといい、1~2週間程度で退院できる見通しだが、公務復帰の時期は未定という。
岩倉市長は、6月24日に入院し、同30日に退院したが、今月2日に再入院していた。説明によると、市長は肺炎を発症していたほか、脱水症状や血圧低下などを生じる副腎機能不全と診断された。市長は昨年11月に心室細動による不整脈で倒れたが、今回の入院との関連は低いとしている。
市によると、入院の長期化により、昨年11月に倒れてから今年2月に復帰して以降、徐々に回復していた筋力や体力が再び低下したといい、市長自ら「今の状態から治療を進め、退院後に筋力と体力の回復を図るまでには一定の時間を要する」と判断したという。
8日に木村副市長と山本俊介副市長、市内の医療機関で市長と面会し、「命を最優先にしてほしい」と伝えた際、市長から「市民の皆さんにはご心配とご迷惑をお掛けして大変申し訳ないが、今は治療とリハビリに専念させていただきたい」との話を受けたという。木村副市長は「面会した時はつらそうに見えたが、危機的な状況ではなかった」と強調した。
山本副市長はさらに市長の容体を解説し、「早期発見でホルモンの補充が行われ、現在は投薬とリハビリを開始するなど回復傾向」とした。市長は1~2週間程度で退院できる見通しだが、その後のリハビリ期間を含めて現時点では復帰の見通しが立たず、「長期間になることが予想され、市長本人、医師の見解を(職務代理者の)設置基準と照らし合わせた」と説明。市長とは意思の疎通を図れるが職務代理者を置くことに理解を求めた。
岩倉市長は昨年11月に倒れた際も職務代理者を設置しているが、苫小牧市長が一度の任期で職務代理者を2度置くのは初めて。木村副市長は「2度目の職務代理者を立てることは重く感じている。異例の事態」と危機感をあらわにしつつ「職員一丸となって、市長が戻ってくるまで職務に精励し、いろんな課題に向き合っていく。市長の公務復帰を願っているが、無理はしてほしくない」と気遣った。