樽前山神社例大祭最終日の16日、苫小牧市中心街で二区町内会(手嶋覚会長)による伝統芸能「あばれ獅子」が披露された。祭りばやしに合わせ、2頭の獅子が躍動感いっぱいに舞い、「厄よけ」に頭をかんでもらう市民の姿もあった。
今年は北洋大学野球部などの応援も受け、総勢30人が参加。はかまや浴衣、法被などに身を包み、午後2時半に錦町の二区総合福祉会館を出発した。
休憩を挟みながら錦町・表町の事業所、ホテル、飲食店などを太鼓や笛、鐘を鳴り響かせながら獅子が練り歩いた。突然、目の前に現れた獅子に顔をこわばらせる幼児もいた。
今年初めて獅子の頭をかぶった錦町のバーに勤務する和田飛昂さん(28)は「祭りが好きで、こうした風物詩は大事」と充実した表情を見せた。
あばれ獅子は大正時代から続く伝統行事で、戦時中と1950年代に担い手不足から2度休止し、81年に復活。コロナ禍で再び休止を余儀なくされたが昨年、同神社例大祭に合わせて4年ぶりに再開した。
職場が錦町で、初めて旗持ちを務めた飲食店経営草野幸子さん(40)は「女性が参加するのは初めてらしいけど、今後も協力できたら」と笑顔。手嶋会長(76)は「昨年再開させたら、とても喜ばれた。今年は法被や浴衣も一部新調した。できるだけ長く続けたい」と力を込めた。